オーストラリア留学とワーキングホリデーの準備マニュアル。
オーストラリア留学の準備マニュアルマニュアル2022年版

オーストラリアの英語学校

留学カウンセラー オーストラリア教育制度において英語教育分野は大変重要です。それは、留学生に英語を学ぶ幅広い選択肢を提供することや、あらゆるレベルの教育機関への進学を可能にする点で重要だからです。
オーストラリアでは多くの英語教育の中から適切なコースを選択することがとても大切です。特に英語教育機関終了後に進学を目指す場合には重要になります。 オーストラリアの英語学校の英語コース(ELICOS)とはEnglish Language Intensive Courses for Overseas Students(外国の学生に対する英語集中コース)と呼ばれているコースです。
2011年には、13万4,440人の外国人留学生がオーストラリアで英語コースに入りました。54%が学生ビザ、24%が観光ビザ、残り22%がワーキングホリデーまたは他のビザとなっています。通常、英語教育は専門のカレッジやセンターで行われています。これらの語学学校は留学生のためのもので、そのため留学生への支援サービスも充実しています。
また、英語教育はほとんどの留学生がオーストラリアで最初に勉強するコースでもあります。そのため英語学校は受け入れ態勢を整え、オリエンテーションや宿泊手配などを行っています。
語学学校生はほとんどが学生ビザ、観光ビザ、またはワーキングホリデービザでやってきます。観光ビザの学生は最長3ヵ月まで学校へ通うことができ、ワーキングホリデーは4ヵ月まで許されます。また、オーストラリアでそれ以上長い期間を勉強したい場合には学生ビザを取らなければなりません。学生ビザを持っている学生はESOS ACTというオーストラリアの法律に従って管理されていますが、観光ビザやワーキングホリデービザの学生はこの法律には適用されません。
英語学校のコースは英語コースのみを取ることができます。つまり、留学生の中には英語能力だけを上達させ、その後帰国する方もいます。イングリッシュ・オーストラリアの統計では、41%の学生が正規資格を取得する他の教育機関(TAFEや専門カレッジ、大学、大学院等)へのパスウェイとして英語コースに入学しています。

英語学校のタイプ

オーストラリアには約300校の正式認可を受けた語学学校があります。これらの語学学校には様々なタイプがあります。
●オーストラリアの主要都市の学校や地方地域に位置する学校
● 公立または私立の学校
● 高校、TAFE、大学に付属した学校
● 小規模な学校や国際的な大規模学校

コースのタイプ

語学学校とその英語コースはオーストラリアの決められた品質保証規定に従わなければなりません。この規定では教師が最低持っているべき資格、クラスの大きさ、設備のタイプ、週単位の授業時間が決められています。
ほとんどの語学学校の英語(ELICOS)コースはNEAS(the National ELT Accreditation Scheme)の正式認可を受けています。しかし、ごく一部のコースではAQF(オーストラリア資格制度)の一部であるサーティフィケートやディプロマとして正式認可されているものもあります。 さて、オーストラリアでは海外から様々な理由で英語を勉強に来る人のために、幅広い英語コースを用意しています。フルタイムの英語コースは主に下記のようなものです。
● 期間は一般に4週間から48週間です。
● 初心者から上級者までのすべてのレベルで教えています。
● 少なくとも週20時間以上の授業から成っています。
● 通常は開始日が自由に決められます。そのため年間を通じて入学ができます。
多くは英語コースの後に他の教育機関での正規コースへと進みます。その場合には1つまたは2つのコースを組み合わせパッケージ化されることがあります。中には進学コースが同じ教育機関によって行われる場合もあります。 下記はオーストラリアの語学学校で留学生向けに行われている主要5コースです。
● 一般英語 (General English)
● 進学英語 (English for Academic Purposes-EAP)
● セカンダリースクール入学準備 (Secondary School Preparation)
● 試験準備 (Examination Preparation)
● 特定用途英語 (English for Specific Purposes – ESP)
これに加え、いくつかの語学学校では特定の学生の希望に合わせた特別コースを行っている場合があります。例えば、組織幹部向けの英語コース、企業向け英語コース、団体語学研修(この研修は通常英語授業と観光やスポーツなどのアクティビティを組み合わせています)です。 それぞれのコースの特徴を見て行きましょう。
1. 一般英語
一般英語コースは読む、書く、聞く、話すの英語能力を上達させるものです。学生は初級から上級までのどのレベルにも入学することができ、それぞれの学生が自分のぺースで勉強できます。通常は、学校開始の際にクラス分けテストを行い各学生に合ったレベルのクラスへ割り振られます。各レベルの授業では時にはいろいろなアクティビティを交え、日常英語に焦点をあてて勉強します。
この一般英語コースは個人や休暇を利用した団体などに向いています。また進学英語コースへの準備段階としてもよいでしょう。

2. 進学英語 (EAP)
進学英語コースは大学進学を目指す学生を対象にして、英語力と勉強方法を身につけさせ、合格を目指すコースです。また、このコースではオーストラリアや海外の大学の高度教育機関(大学など)が要求している大学入学に必要な英語能力を身につけるように指導しています。通常はIELTS6.0から6.5、またはTOEFL Paperで530から570、あるいはそれと同レベルのテストの英語力を目標にしています。このコースを修了したほとんどの学生はオーストラリアの大学へ進学しています。
この進学英語コースは一般にそれぞれの学期が10週間単位となるフルタイムコースです。また、ほとんどの進学英語コースは開始日や終了日を大学の学期日程と合わせています。これによって大学等の正規コースへの進学がスムーズになるのです。
3. セカンダリースクール入学準備
このセカンダリースクール入学準備コースは下記のような授業の特徴があります。
● 会話、聞き取り力、読解力、文章力の向上
● 留学生のオーストラリア教育制度の理解を促進
● 進学後のセカンダリースクールの授業にすぐに慣れるようにする訓練
● 特定の教科の紹介や科目選択の助言

4. 試験準備
正式な資格を提供していないこともあり、多くの英語コースでは下記のような外部で行われている英語能力検定試験の準備に焦点をあてています
○ ケンブリッジ英語検定試験 (PET, FCE, CAE, CPE, BECの各試験)
○ IELTSテスト
○ TOEFLテスト
○ TOEICテスト
このコースはテスト練習に集中し、通常18歳以上の学生が入学します。
また、英語以外のコース入学を目指す人、英語圏で仕事をする人、自国で就職の際にこれらの英語力証明が広く受け入れられている国々からの人などを対象にしています。
5. 特定用途英語
このコースは一般に技術的分野の英語力が必要な特定の学生に合わせたものです。このため多くは同じ目的を持つ少人数の学生のために設定されます。コースは13週間以下で観光ビザ期間中に学習するケースが多く見られます。
このカテゴリーには仕事を得るために英語を勉強している人を対象とした「ビジネス英語」も含まれます。ビジネス英語は職場で使われる英語を集中的に勉強します。この特定用途英語プログラムの多くは、すでにある程度高い英語力全般を持っているか、中級レベルの英語力から上級を目指す学生を対象にしています。

6. 学生ビザ以外の人の短期コース
英語を勉強したい学生でも、観光ビザでは3ヵ月まで、ワーキンホリデービザでは4ヵ月まで受け入れてくれます。このような学生もまた学生ビザの学生と同じプログラムを受けることができます。
注意) 4ヵ月以下就学する学生でも学生ビザを申請することが可能。 もし、団体で来る場合は、団体のために特別にプログラムを作ることもできます。これをスタディツアーと呼んでいます。
スタディツアーには次のような特徴があります。
● スタディツアーの多くは海外の高校や大学等の休み時期に企画されます。
● スタディツアーの多くは観光や特別なアクティビティを英語授業と組み合わせます。
● スタディツアーの多くが海外の各団体単位で構成されます。例えば、学校単位、大学単位、職場単位といった形です。 ● スタディツアーはESOS ACTやNational Codeといった規定には当てはまりません。そのためスタディツアーは授業時間、先生の資格、施設の設備などの決められた条件を満たす必要はありません。   イングリッシュ・オーストラリア(EA)のメンバーである語学学校は、スタディツアーを行う場合にもその学校運営基準に合わせるでしょう。イングリッシュ・オーストラリアは学生ビザ以外の学生も保護してくれますので、もし学校が閉鎖されたとしても他のプログラムに手配してもらえるのです。このルールはESOS ACTで学生ビザの学生に行っているものです。もし語学学校がイングリッシュ・オーストラリアのメンバーでない場合はどの規定にも守られていないことになります。
スタディツアーは学校単位や観光団体から、興味を持つ特定分野の研究を望む専門的団体まで、様々な目的で提供可能と言えます。 下記のような様々な目的を持つ専門的なツアーが考えられます。
○ 農業
○ 採掘や精錬
○ エコツーリズムや環境計画
○ アドベンチャーと英語レッスンを組み合わせたバックパッカー
○ 老齢介護、看護、栄養
○ 生活体験を通じた日常英会話
○ 中学・高校の休暇ツアー
○ 特別な技術視察ツアー
○ 貿易使節団、政府機関、VIPツアー
○ 報償旅行、集会
○ 大学の休暇旅行や卒業旅行、集会 また、これらのスタディツアーではコース修了に対して資格等が与えられるものではありません。

 

英語テスト

IELTS、TOEFL、CAE ケンブリッジ、PTE アカデミックテストはオーストラリアを含め世界中で使われている英語力を判定する主なテストです。 IELTSテスト(International English Language Testing System)
IELTSテストはオーストラリア、イギリス、カナダ、ニュージーランドのほとんどの教育機関で使われています。また、アメリカの教育機関でも入学条件にIELTSを使うところが増えています。オーストラリアのDIBP (Department of Immigration and Border Protection = 出入国管理の移民省)では、学生ビザを申請する場合に相応の英語力証明を必要とされるケースでは、IELTSテストが主なテストとして採用されています。
IELTSテストは、英語を伝達手段とする学習や訓練の際に学生が必要とされる英語技能のすべてを満たすために4つの要素から成っています。
そして、IELTSテストは2つの形式があります。ひとつはアカデミック、もひとつは一般(ジェネラルトレーニング)です。すべての受験者は聞き取りと会話分野では同じ内容のテストを行いますが、この2つのテスト形式は読解力と文章力の分野で違うテストを行います。
アカデミックテストは大学等の高度教育機関へ進学を希望される方に向いています。また一般テスト(ジェネラルトレーニング)は学究的教育課程以外の進学、職業体験、ビザ取得目的などの方に向いています。
TOEFLテスト (Test of English as a Foreign Language)
TOEFLテストは受験者が大学レベルで使用し、理解できる英語力を判定するものです。コンピュータを利用したテスト(TOEFL CBT) は世界中のほとんどの地域で受験できるようになっています。さらに、インターネットを利用したテスト(TOEFL iBT)も多くの国で行われています。また、コンピュータが使えない地域では紙面でのテスト(TOELF Paper based)が行われています。

CAEケンブリッジ英語検定試験 (Certificate in Advanced English)
CAEは受験者の英語力をすべての分野で綿密に厳しくテストする試験です。このテストは紙面でのテストとコンピュータを使ったテストがあります。CAE試験は読解力、文章力、英語使用力、聞き取り能力、会話力(会話テストは2名の受験者と2名の審査員の対面で行われます。)の5つの分野から成り立っています。
PTEアカデミックテスト (Pearson Test of English – Academic)
PTEアカデミックはコンピュータを使ったテストで、実生活の場面を使った設問を通して個人の英語能力を測るものです。このテストは3時間行われ、20の異なったタイプの設問が与えられます。このテストには読解力と会話力の複数の分野をチェックするような設問もあります。テスト結果は5日以内に受験者へ通知されます。

 

留学の入学条件

留学生は英語学校のどのレベルにも入学することができます。しかし移民省は学生ビザに特定の条件を定めています。そのため学生の国籍によっては英語コース期間を制限される場合があります。(日本はいまのところこのような制限はありません。)
オーストラリアの教育機関は入学基準となる英語力を満たした学生のみを受け入れます。そして、各教育機関は独自に入学基準となる英語力を設定しています。つまり、学生ビザ取得の基準とは別に各学校がIELTS、TOEFL、CAE、PTEアカデミックやその他の英語力判定を利用して入学基準を決めています。ですから、入学したい各教育機関の入学基準を確認する必要があります。
 

英語コースの品質保証

オーストラリアでは留学生が期待している対価に見合った高い質の英語教育を受けられることを保証しています。このコースの質は下記の団体によって保証されています。
● NEAS - National ELT Accreditation Scheme Limited
● EA - English Australia
NEASとは
NEASは語学学校のためのオーストラリアの国内認可政策です。NEAS設立の目的は英語コース(ELICOS)の提供内容の高い質を確立させ、維持するためです。
NEASは私立語学学校、大学付属語学学校、TAFE語学学校、私立セカンダリースクールなどすべての英語学校を認可します。このNEASの認可基準に合わせて、語学学校は下記内容で基準を満たしていることを証明しなければなりません。
● 適切な経営管理、事務手続き業務、快適な施設
● 資格要件を満たした教師
● 必要な校舎、設備、教材や資料
● 適切な教育課程(カリキュラム)
● 最大18名のクラス編成 NEASの検査官は毎年学校を訪問し、語学学校としての最低基準を満たしているか審査します。そのため、多くの学校がこの基準よりも優れた内容を提供しているわけです。このようにオーストラリアは世界で唯一、語学学校と留学生の詳細な国内基準を設けて、従うことを義務付けていると言われています。
EA (English Australia)とは
多くの英語学校がNEASの認可を受けると同時にEA(イングリッシュ・オーストラリア)のメンバーになっています。EAは現在85の語学学校がメンバーとなっている語学学校のオーストラリア国内業界団体です。また、EAは語学学校分野での質を維持する重要な規則を設けています。それはメンバーである加盟校に課せられた下記のようなルールです。
● 法律則した行動規範を順守すること。
● 授業保証政策に加盟すること
● 会員品質保証に加盟すること
● 返金および転校方針に関するEA基準を順守すること 要約すれば、EA加盟校とは、加盟している公立および私立語学学校の政府基準よりも厳しいルールによって、高い質と公平な取引を留学生に保証しているということになります。

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