オーストラリア留学とワーキングホリデーの準備マニュアル。
オーストラリア留学の準備2022年版

保護者の方へ

オーストラリア留学やワーキングホリデーを計画されているお子様をお持ちの保護者の方々に、留意点をお伝えしたいと思います。

留学について

留学する方は海外へ留学をすることに大きな夢を持っていることと思います。日本と全く違う生活環境で長期間過ごすことは、短期間の海外旅行とはまったく違った意味と体験があります。留学経験はその人の人生や価値観、考え方を大きく変えることになるでしょう。また自立心やチャレンジする力を養い、一回り大人になって帰ってくるかもしれません。親元を離れて暮らす海外生活では、そのような大きな変化が期待できる鍛錬の環境があると言っても良いと思います。
しかし、留学はバラ色ではありません。留学生活はすべてが素晴らしく、楽しいわけではありません。留学する本人は様々な体験の中で、楽しい体験と同じくくらいの辛い思い、悔しい思い、悲しい思い、苦しい思い、帰りたい気持ちなどを抱くでしょう。そして、その苦難に立ち向かい他人の手を借りながらも自分自身の力で乗り越える努力をしなければならないでしょう。
また、英語環境で生活していれば自然に英語が上手になって帰ってくると思われがちですが、実際には本人の努力次第です。そして上達には個人差があります。留学は成果を保証されたものではないのです。
辛い思いを素晴らしい体験に変えるには、それなりに真剣に格闘しなければなりません。留学はすべて留学する本人次第であることをご理解いただきたいと思います。

応援してあげてください

海外留学はとても心細いものです。そのため同じような留学している日本人と交流することは精神的にはとても大事なことです。あるいは日本の家族や友人と連絡を取り合うことも大切だと思います。
留学する人によりますが、生真面目に考え、自分に厳しいあまりに日本人のいないところを求めて自分を追い詰めていく方がいらっしゃいます。そのような気持ちは大切ですが、精神的なバランスを失う場合がありますので注意が必要です。もちろん日本人同士でいつも一緒にいては留学目的は達成できません。目的を見失わないようにすることが大事です。
海外にいる日本人はいつも闘っていると思っているでしょう。そのような声をよく聞きます。つまり常時高い緊張感の中で生活しているという意味だと思います。
そのような生活の中で留学の目的を達成するために努力しているお子様を応援してあげてください。応援団はとても心強いものです。長期留学の場合は、もしできれば、留学先に慣れて余裕ができた時期に様子を見に行ってあげるとよいでしょう。

安全について

海外留学で安全に暮らすことについて、お子様と話し合っていただければと思います。
生活習慣やルールが違う海外で暮らすということは、まずその国と人々を理解する努力が必要になります。この点は反対の立場で考えれば、日本に住む人々は日本に来る外国人に対して、日本のことを尊重し、理解してもらいたいと思う気持ちと同じです。
そして、誤解を恐れずに申し上げるならば、「『安全は自分で守る』という大原則のもとで生活することが海外生活です。」とお伝えしたいと思います。
『安全は自分で守る』とは、あらかじめ危険な状況に自分の身を置かないように注意すること、そして、何かあった場合の対応策を自分で考えられるように準備しておくことだと思います。
海外ではひとりひとりの個人を尊重する考え方がありますが、それはそれぞれの個人の行動は自己責任によって行われていると見なされることでもあります。(もちろん、未成年者に対しては社会がしっかり見守らなければならないルールがあります。)
つまり、18歳以上の人は、一人一人の各自の責任によって各自が行動を行っているとオーストラリア人から見られている事を理解しなければなりません。(集団行動や人の真似を行っていたとしてもです)
もうひとつ安全に関して準備していただきたいことは、留学するお子様に携帯電話を持たせることです。オーストラリアでは携帯電話が発達していますので、山奥等を除いて、ほぼどこでも携帯電話で連絡を取ることが可能です。最近は携帯電話の発達で住宅地では公衆電話を見なくなりました。そのため増々携帯電話は重要になります。今のところ、日本の携帯電話は海外で使うと高額(海外パケット放題などがあるようですが、それでもかなり高めです)になるようですので、長期滞在の場合には現地でレンタル携帯電話を使う方法がよいでしょう。
いつでも連絡できる体制を取っておくことでご安心できると思います。

お金について

オーストラリアと日本は基本的な生活物資はほぼ同じ物価です。これを機会にお子様に自分でお金を管理できるようにお話してはいかがでしょうか。(18歳以上の場合、ホストファミリーも学校スタッフも誰もお金のことで意見することはできません。)
特に年齢の若い方では、使いすぎて生活費が足りなくなるといったお話も耳にします。18歳未満の場合は毎月送金する方法がよいでしょう。

18歳未満のお子様について

オーストラリアでは18歳未満のお子様が長期留学をする場合は現地に居るガーディアン(保護者)を指定しなければなりません。 これは法律によって決まっています。この保護者はお子様の生活を管理したり、許可(外出や外泊、活動の参加など)を与えたり、学業の状況を確認する活動をします。通常は一緒に生活するホストファミリーがなりますが、場合によっては学校のスタッフや現地在住の親戚・友人・知人がガーディアンとなる場合があります。
ガーディアンには通常ガーディアン費用が支払われますが、場合によっては若年層用のホームステイ費用に含まれている場合があります。
18歳以上になるとひとり暮らしやシェアハウスなどで暮らすことを認められますが、18歳未満では家庭環境を重視し、ホームステイなどの家族のいる環境で生活するのが基本です。ただし、ボーディングスクールのように寮のある学校では18歳未満でも寮生活ですので、学校スタッフがガーディアンの役目をします。
なお、観光ビザで滞在する場合はこの限りではりません。

食生活とホームステイについて

オーストラリアのスーパーマーケットでは世界中の食材が売られています。なぜならオーストラリアは多民族国家で、世界中から集まった移民が住んでいるからです。そして、レストランも様々な国の料理店があります。もちろん日本食レストランもたくさんありますし、フードコートと呼ばれる持ち帰りができるお弁当屋さんやファストフードが並ぶ場所でも、巻き寿司、お寿司、日本のお弁当に似たものが売られています。日本食が恋しくなったら手軽に食べられる環境があると言えるでしょう。
しかし、ホームステイは事情が少々違います。ホームステイは一般家庭で生活をしながら、英語と生活習慣を学ぶ場でもあります。それぞれの家庭で与えられた料理を食べなければなりません。ホストファミリーになる家族のバックグラウンドは様々です。たどっていけばどのホストファミリーも移民ですから、それぞれの国の文化や生活習慣を受け継いでいます。そのためイタリア系、フランス系、イギリス系、ギリシャ系などなど、それぞれの流れが家庭料理にも反映されているのです。また、オーストラリアのホームステイの食事は日本のようにたくさんのお皿に様々な料理が並ぶ食卓ではありません。例えば、各自のお皿に肉とポテトと野菜が盛られて、それが夕食となるでしょう。日本の食卓と比べると質素です。各家庭で違いはありますが、日本と比較すると概ね質素な食生活と考えた方がよいでしょう。
また、ホームステイは選ぶ事ができません。決められた自分のホストファミリーを大切にして、他と比較することなく楽しい滞在になるように留学する本人が努力することがとても大事なことです。
ホームステイは多くの場合受け入れ側のボランティアの気持ちで成り立っていますが、滞在費用を支払います。また長年ホストファミリーをしていて留学生に慣れている家庭も多くあります。ホームステイは基本的には食事付きの下宿と考えてよいでしょう。
このような状況をご理解の上で、お子様を送り出してあげてほしいと思います。

心配させてしまうようなお話を書いてしまったかもしれませんが、実は楽しい事はたくさんあります。日々の生活は新鮮な発見や体験に満ちあふれているでしょう。留学したお子様は時を忘れてしまう程楽しいと思うかもしれません。
しかし、現実を少し厳しめに考えて留学をはじめていただきたいと思います。過度の期待や夢は留学を挫折させる原因になります。また、海外で生活することは精神的にもかなり大きな負担がかかります。本人は気づかないかもしれませんが、その負担は時にはホームシックとなって現れる場合があります。
無理をすることはございません。時には帰国することも決断です。
しかし、本人にチャレンジする意欲があるならば乗り越えることはできますし、得られる事はたくさんあります。
お子様が海外で他人の力を借りてサバイバルすることはとても大切な体験です。むしろ『他人の力を借りるチカラ(コミュニケーション力)』を身につけることは留学のひとつの成果かもしれません。
留学するお子様にはご自分の意思で留学することを自覚し、留学目的を達成する情熱を持って旅立っていただきたいと思います。保護者の方々にはその応援団として、力強い声援を送ってあげてください。
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