セカンドワーキングホリデービザ(2年目)やサードワーキングホリデービザ(3年目)を取得する条件はファームなどの一次産業で、農作物の収穫、畜産、水産などの作業に従事することが求められています。
ほとんどの方は農作業にチャレンジしています。心配される方も多いと思いますが、求人状況は刻々と変わります。日本から仕事を決めることは難しいので現地に行ってから決めると考えて、まず基礎的な英語力をつけるために語学学校へ行ってからチャレンジするとよいでしょう。語学学校では同じようなワーキングホリデーの仲間が世界中から集まっています。情報を収集し、地域や希望を考えて選択していきましょう。
【なぜ労働者を求めているのか】
農作物などの収穫物は季節性があるものが多く、収穫の時期だけ働いてもらえる季節労働者を多数必要としています。このような短期間(数ヶ月)の集中的な作業にはワーキングホリデーなどの滞在者やホリデー中の学生などが適しています。
大規模な農場では数百人を募集します。また季節性と作物の種類による収穫時期のズレがあるため、いくつかの農場で働くことで長い期間働くことも可能になります。農場では常に多くの労働力を必要としてきました。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によりオーストラリアでは2年近く入国制限が行われました。そのため季節労働者は激減し、新たなワーキングホリデーや学生は入国できなくなりました。この影響で深刻な労働力不足になったのです。オーストラリア政府はビザの条件や特例などで広く世界からワーキングホリデーの方を求めています。
2度目、3度目のワーホリビザを念頭に考えますと、フルーツピッキング(果物の収穫)、野菜の収穫、作物の世話、収穫物の梱包、樹木の手入れ、間引きなどの農作業が対象になります。これの中にはかなりの重労働もあります。身体的に健康な方で、長時間しゃがんで作業したり、はしごに登ったり、最大20kgの重量を運ぶなどの作業もあります。気象条件に左右されますが、平日も週末も作業することになります。 収穫物によりイチゴなどの軽いものから、バナナのような重量があるものまで様々な農場が労働者を求めています。作物の収穫時期によるため一つの仕事は2〜3ヶ月程度のものが多いでしょう。そのため複数の農場で働くことも想定しておくと良いでしょう。
【給与は?】
労働報酬の計算方法には2つの種類があります。一つは収穫量、もう一つは時給です。
農作業では収穫量が報酬の基準になります。個々の労働者が収穫した量により給与が決まる方法です。収穫量の給与では早く慣れて、コツを掴むことで徐々に数を増やしていくことができるでしょう。収穫した数量またはバケツの数、あるいは重さなどによる計算になります。
また、時給の場合は単純に数量で計算できない作業などに適用されていますが、収穫の作業に適用される場合があります。
農場では作業によって最低賃金が決まっています。これは法的に決められていて、時給の例では職種によりますが、19豪ドル〜27豪ドル(時給1,700円〜2,500円程度、1豪ドル=93円で計算した場合)になっています。
給与は毎週または2週間毎に支払われるのが一般的です。
【住むところ】
多くの場合は農場が用意した宿泊施設、農場の近くの集落や街にあるシェアハウス、バックパッカーといわれる簡易宿泊所などに滞在します。世界から集まるワーキングホリデー者などの仲間がいますので楽しい滞在ができます。滞在費は自己負担ですが比較的安く滞在することができますので、お金を貯めることができるでしょう。
【どうやって探すの?】
仕事を探す方法は様々です。政府の季節労働者募集サイトが最も有効ですが、そのほかにも農作物を生産する会社の募集、情報ウェブサイトの求人欄、旅行をすると滞在したバックパッカーなどでも募集が行われています。
語学学校で英語を学んでいる間に多くの口コミも収集できるでしょう。
雇用形態にはファームやファームを運営する会社の直接雇用と、ファームに労働者を派遣する業者が雇用する労働派遣があります。労働派遣はライセンスが必要ですので、ライセンス番号を持っていて有効かどうかチェックすることは大切です。ユニスタディではできるだけ直接雇用で働かれるようにおすすめしています。後ほどおすすめの企業をご紹介します。
政府系のサイト:
収穫の求人募集
【地域と仕事内容をチェックする】
セカンドワーホリビザ、サードワーホリビザを申請する条件には、それぞれ申請前のワーホリビザの期間中にセカンドビザ申請では3ヶ月以上、サードビザ申請では6ヶ月以上指定された地域内の特定の職種で働くことが求められています。
指定された地域はオーストラリア内務省のビザの説明にもありますが、郵便番号で決められています。自分が働くファームがその郵便番号内にあることを確認しましょう。
職種についても注意が必要です。収穫や収穫に付随する作業は対象になりますが、製品の加工などは対象になっていません。例えば2次的な加工する工場での作業は対象に入りません。
指定された地域と特定の職種についてはセカンドビザのページをご覧ください。
【仕事前に準備しておく書類】
オーストラリア到着後に申請するものです。出発前には取得できません。なるべく早く取得しましょう。
Tax File Number(納税者番号)とは税金の支払いに必要な番号で、日本で言うマイナンバーに近いですが、働く時に必ず必要になるものです。日本よりも厳格なものとお考えください。
タックスファイルナンバーはオンラインで申請することができます。その際にオーストラリアの住所、連絡先などが必要になります。
オーストラリアに到着したら、なるべく早く銀行口座を開設しましょう。
銀行口座は給与振り込み口座になりますし、普段の生活でも大変便利です。口座開設にパスポートと日本のマイナンバーカードのコピーまたは通知カードのコピーを用意してください。(日本出発前にマイナンバーを返納する場合は、返納する前にコピーを取っておきましょう。尚、帰国後にマイナンバーカードを再度発行してもらう際の番号は以前と同じものになります。)
パスポートのコピーを用意しておきましょう。データでも保存しておきましょう。
また、念の為ワーキングホリデービザ許可書のコピーもデータと紙の両方を用意しておきましょう。ワーキングホリデービザを所持していることはオーストラリア国内で働ける許可を持っていることになります。尚、雇用主の場合はオーストラリアの内務省のシステムを使ってビザの有無をチェックすることが可能です。
履歴書は特に求められないかもしれません。しかし念の為英文の履歴書は作っておいた方が良いでしょう。
形式は特に決まっていませんが、名前、連絡先、学歴、職歴(簡単な仕事内容)、得意なものなどを書いておくと良いでしょう。写真は必要ありません。最近は個人情報の管理が厳しくなっているので、性別、年齢などの情報は特に書かなくても構いません。
もし運転免許がある場合は日本の免許証と国際免許証(出発前に日本で取得)を持っていきましょう。
現地での運転は交通ルールの違いや保険の問題がありますのであまりおすすめしません。しかし、移動手段として車以外にない場合もあります。レンタカーを借りる機会があるかもしれません。
海外で事故があった場合には大変複雑なことになりますので、運転は現地のルールを学んで十分に注意してください。車を購入する場合は必ず保険に加入し、さらに日本出発前に海外旅行保険に加入してください。
セカンドワーホリビザ、サードワーホリビザを申請するには指定された地域と特定の職種で規定の期間以上働いていた証拠が必要になります。証拠となる書類は複数あることで確実な証明になります。 下記に保存しておきたい書類をご案内します。
雇用される段階で雇用主と労働者の間で契約書が交わされます。契約書にはどのような仕事で、給与はいくらで、どのような条件で働くかという詳細が記載されています。契約書は保管しておいてください。
また収穫量での給与の場合はPiece Work Agreementと呼ばれる収穫量に関する書類がありますので、それを保管しておきましょう。
給与が支払われる際はペイスリップと呼ばれる給与明細書が発行されます。このペイスリップには支払う会社の名前、住所、ABN番号(オーストラリア・ビジネス・ナンバー = 企業が納税等の公的な手続きの際に使用される登録番号)、労働者の名前、給与対象になる労働した期間、給与支払い日、給与の計算明細、税金、スーパーアニュエーション(個人年金 = 給与額に対して一定の割合で会社が積み立てる年金)などが記載されています。ペイスリップはデジタル化されて送られてくる場合もあります。
通常、給与は銀行振り込みで行われます。現金でもらった場合はなるべく銀行に預けて記録として残しておくことをおすすめします。給与振り込みは銀行の入金記録に振り込んだ会社名と共に記録が残ります。この記録が働いた証明になります。
バンクステイトメントは数ヵ月毎や半年毎に発行されると思いますが、最近はインターネットバンキングでダウンロードできるので紙の書類を発行しない場合もあります。
この記録は必ずダウンロードして保管してください。
帰国前に銀行を解約する場合でも、解約前にすべての期間のバンクステイトメントをもらってください。
オーストラリアは毎年7月〜6月までが会計年度になります。6月が終了しますとタックスリターン(確定申告)を行います。多くの場合、源泉徴収で払い過ぎた税金の還付を受けることになると思います。税金の還付の際に税務署(ATO=Australian Taxation Office)から書類が発行されますので、その書類を保管しておきましょう。
もらった書類はできるだけ保管しておいてください。
【記録しておきたいこと】
セカンドビザ、サードビザを申請する場合は下記を記録しておくことをおすすめします。
● オーストラリアの会社は正式な会社名とビジネス上で使われるビジネスネームが登録されていることが多くあります。自分が働いた会社名とビジネスネームは記録しておくことをおすすめします。
● ファームには名前がついていますので、実際に自分が働いた『〇〇Farm』などの名前と住所も控えておきましょう。
● 自分が住んでいた住所
● ファームで働いていた日数と労働時間の記録
● 担当していたスタッフの名前と役職名、連絡先(電話番号とメールアドレス)
COSTA(コスタ)
オーストラリアの30以上の地域、60以上の農場で農作物の生産を行う大手企業です。扱う作物はアボカド、バナナ、ブルーベリー、ラズベリー、イチゴ、ブラックベリー、柑橘類(レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ等)、ブドウ、きのこ、トマトなど様々あります。多くのワーキングホリデーの方がこの企業のファームで働き、セカンド、サードのワーキングホリデービザを取得してきました。
尚、弊社はCOSTAとは一切関係がございません。ファームの求人情報としてご案内しています
まず最初にご自分のアカウントを作成しておきましょう。
必要書類もありますから早めに準備をおすすめします。
英語力はこの応募申請をご自身でできるくらいの力は必要です。仕事の指示を理解し、コミュニケーションできるレベルが欲しいですね。
世界からのワーキングホリデー者が応募しますので大変人気があります。地域、作物、仕事内容を確認して計画的に応募するとよいでしょう。
【応募方法】
Costaのウェブサイトを訪問してください。
Costaのウェブサイト
『WORK WITH US』をクリックして募集情報を見ます。
Costaの求人検索ページ
検索部分(Job Search)のClassification部分で『Picking/Packing/Harvest』を選び、それ以外は特に選ばずに『SEARCH』ボタンを押すと、求人情報のリストが出てきます。
詳細を確認してください。地域、仕事内容、その他条件をよく読んでから応募しましょう。
『応募』ボタンを押して、IDやパスワードを設定します。それ以降は指示に従って入力してください。
給与: この会社は金額を明記しています。例えばベリーのFruit Pickerの求人では時給は最低26.73豪ドル(約2,480円)以上になるとなっています。トマトの募集では時給27.09豪ドルと記載されています。シフト制や時間帯、休日なども記載されています。
注意: 応募して合格したとしても、求められることや自分でしなければならないことがあります。例えば基礎的な英語力(書く、話す)、多文化の職場で協力し互いに尊重すること、体力と責任感、健康や衛生などに配慮すること、さらに宿泊先(バックパッカー、シェアハウスなど)や仕事先までの交通手段(通常は車で乗り合い)の確保などです。採用される人は1人ではないので、仲間と協力することも大切になります。まさに海外でサバイバルするチャレンジになるでしょう。
都市名をクリックして語学学校リストへ。
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